ボルボが世界一安全と言える理由

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1.試験結果

世界で最も厳しい試験をしているのは、Euro NCAPとIIHS

〇Euro NCAP*1

総合ランキングTOP3
1位 ボルボV40
2位 ボルボXC60、ボルボXC90
※現行車で全車340点(400点中)以上を獲得しているのはボルボのみ 

乗員の安全性項目におけるTOP3
98点:ボルボV40、ボルボXC60、アルファロメオジュリア
※現行車で全車90点以上を獲得しているのは、ボルボ(試験数6台)、アルファロメオ(試験数3台)、ジャガー(試験数2台)、マセラティ(試験数1台)、クロオス(試験数1台)のみ 

セーフティーアシスト性能の最高得点(2016年まで)
100点:ボルボの全現行車、BMW 5シリーズ、オペルMokka、フォードKuga

セーフティーアシスト性能の最高得点(2017年以降)
95点:ボルボXC60
※セーフティアシスト性能試験において実施される自動ブレーキ試験において満点を得ているのはボルボのみ

 

〇IIHS(TSP+)

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2011年にスモールオーバーラップ(SO)という試験が新たに導入され、ドイツや日本の高級車も最低評価となるなか、最高評価を得たのはボルボ全車とMINIカントリーマン、アキュラTLだけである。

TSP+開始以来、衝突試験の全項目で全車最高評価を獲得しているのはボルボのみである。

 

2.予防安全

〇自動ブレーキ*2

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スペック
対象物 :車、壁、歩行者、自転車、大型動物(世界初)
回避可能速度(実測値):車と歩行者に対して60km/h(試験上限速度)
その他機能:
・夜間も人や大型動物に反応
・交差点で曲がる際の対向車(バイク含む)に反応
・ブレーキでは衝突が回避できない場合、素早く進路変更を行える様に、ドライバーによるステアリングでの回避行動をアシスト
・ドライバーが意識を失った場合に備え、パーキングブレーキのボタンを走行中に押すと、4輪にブレーキがかかり緊急停止する
・駐車スペース等からバックで出る際に、左右後方30m以内において接近してくる車や歩行者等の存在をドライバーに警告し、衝突の危険が高まるとブレーキが作動
・後続車が追突の可能性がある速度で接近するとハザードランプを高速点滅させ、追突の危険が更に高まるとシートベルトを締めつけ、走行していない場合はブレーキ制動を最大に維持し2次被害を抑制

※自動ブレーキ全車標準装備(世界初)、レーンキープ等様々な先進装備の全車標準装備も世界初(しかし、ランフラットタイヤ(パンクしても走行できるタイヤ)とヘッドアップディスプレイはグレードによって差を設けていしまっている)

 

〇疲れ低減、アシスト機能*3

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BLIS(世界初)
速度差も測り急接近している車も監視し、車線変更時に他車と接触する可能性がある場合にミラー内の警告灯が点灯する。また、接触の可能性が極めて高い時は自動操舵が介入する。

車線逸脱防止装置(65km/h以上)
車線に対し通常と異なるふらつきを複数回検知すると疲れていると判断し、休憩を促す。

アダプティブクルーズコントロール(ACC)
高設定速度200km/hのACCであり、隣の車線も監視し、割り込みに備えている。

パイロットアシスト
日経オートモーティブのパイロットアシスト試験
90点:ベンツEクラス
86点:ボルボV90
81点:スバルレヴォーグ
70点:BMW5シリーズ
49点:日産エクストレイル

ボルボは20km/h以下の渋滞時に限り、手放しによるアシスト運転が欧州で認可

パークアシストパイロット:自動駐車、自動出庫機能

フロントカメラ:見通しの悪い角から出る時に左右の確認が可能

標識検知ヘッドアップディスプレイ:フロントガラスに速度やナビ情報などを表示

アクティブハイビーム・アクティブライト
前車や対向車にだけハイビームが当たらないように遮光する。
速度に応じて照らす距離を変化させたり、タイヤの向いている方向を照らす。

オートエアコン
外気の臭いや汚れを検知し自動で車内循環に切り替える。また、太陽光が直接当たっているかなど席毎に体感温度を判断し、風量などを調節する。

 

3.衝突安全

〇歩行者用エアバッグ(世界初)*4

 

〇2段式エアバッグ
衝突の衝撃に応じてエアバッグの膨張率を2段階に調整し、最低限の衝撃に抑える

〇頑丈なキャビンと衝撃吸収力
車に使われている鋼で最も強度の高いボロン鋼を、キャビンだけでなくシートにも使っている。日本車でボロン鋼を採用しているのはホンダNSXのAピラーくらいしかない。

正面衝突した時の衝撃がステアリングから手に伝わらないように、ステアリングコラム部分で折れるようになっている。また、火薬点火装置によりブレーキペダルが押し戻され、足を負傷するリスクを減らしてている。


昔、ボルボやベンツが他に比べ極端に硬かった事を、クラッシュブルゾーンの観点から、危険だったという意見が散見されるが誤りである。
クラッシュブルゾーンが柔らかいという事は衝撃を吸収しやすい反面、吸収できるエネルギー量が少ないので、クラッシュブルゾーンの硬さには塩梅が重要となる。
例えば、紙パックを手に持ってそれをミットとしてそこにパンチを受けた時の痛みと、ペットボトルを持ってそこにパンチを受けた時の痛みと、鉄製の水筒を持ってそこにパンチ受けた時の痛みの違いを考えると分かりやすい。一番痛くないのはペットボトルの時であろう。これは、鉄では殆ど衝撃が吸収されずに伝わり、紙パックでは簡単に(少ないエネルギーで)潰れてしまうので衝撃がほぼ吸収されずに伝わるためである。
即ち、他の車が紙パックの様に柔らか過ぎただけで、ボルボやベンツが硬すぎたわけではない。これは昔のボルボ車を高さ14mから落下させている動画において、エンジンルームが潰れている事から確認できる。高さ14mから落下させると地面との衝突速度は約60km/hであるため、現在の衝突試験の速度と同等である

 

〇シート関連の安全装置
サイドインパクトプロテクション(世界初)*5

側面衝突時に、ドアの厚みだけでは衝撃を吸収する空間が足りない場合、ボロン鋼で作られた頑丈な椅子が横にスライドし、センターコンソールを潰すことでサバイバルスペースを確保する。後部座席は、後部座席とドアの間に広いスペースが確保されている。

 

4.歴史

ボルボの安全性に着目して記載

19世紀 ジョージ ケイリーがシートベルトを発明
1926年 ボルボが「設計の基本は常に安全でなければならない」を理念に誕生
1934年 GMが衝突試験を初めて実施
1940年 ボルボロールオーバー試験を初めて実施
1944年 ボルボが積層ガラスを初めて搭載
1958年 ボルボがシートベルトを全車全席標準装備
1959年 ボルボが3点式シートベルトを初めて搭載し、安全に大きく関わるため特許を無料公開
1959年 ベンツがクラッシュブルゾーンを初めて搭載
1963年 小堀保三郎が現在世界で主流の火薬膨張式エアバックを発明
1963年 レカロがチャイルドシートを初めて発売
1964年 ボルボが乳幼児用(後ろ向き)チャイルドシートを初めて発売
1965年 スバルが日本初の衝突試験を実施
1966年 ボルボが前後衝撃吸収ボディ構造を初めて搭載
1967年 クライスラーエアバッグを初めて搭載
1973年 ボルボがサイドドアビームを初めて搭載
1974年 ボルボが衝撃吸収式ステアリングを初めて搭載
1976年 米運輸省ボルボを最も安全な車とし、将来の安全基準設定用モデルカーに指定
1976年 ボルボがブースタークッションを発明
1982年 ボルボが湾曲ドアミラーを初めて搭載
1990年 ベンツがサイド・カーテンエアバッグを初めて搭載
2003年 トヨタが自動ブレーキの原型を初めて搭載
2004年 ボルボがBLISを初めて搭載
2005年 英国産業道路役員協会がボルボを車両安全に対する思想と業績において欧州で最高であると評する
2005年 ボルボがオープンカーに搭載可能なカーテンエアバッグを初めて搭載
2009年 ボルボが完全停止機能を持つ自動ブレーキを日本で初めて搭載
2013年 ボルボが対歩行者用エアバッグを初めて搭載
2015年 ボルボが自動ブレーキを初めて全車標準装備
2015年 ボルボが対大型動物用自動ブレーキを初めて搭載
2015年 ボルボが滑りやすい路面等の情報を車々間通信で共有するシステムを初めて搭載
2016年 トヨタとホンダがITSコネクト(信号や緊急車両の情報を伝える装置)を初めて搭載
2016年 ボルボがステアリングアシスト付きBLISを初めて搭載

 

5.事故まとめ

〇正面衝突
 

・フル積載の大型トレーラーと相対速度140km/hでオフセット衝突(非現行)

 

・大型トレーラーとオフセット衝突(非現行)


・奥のボルボXC90と手前のアメリカンスポーツカーが144km/hで正面衝突*6

ボルボの乗員は肋骨の骨折と擦り傷で済んだが、ロードリミッター付きシートベルトであるにも関わらず骨折していることから、かなりの衝撃だったと言える

・144km/hでガードレールと衝突し、ポールをなぎ倒す(非現行)


・バスと衝突(非現行)*7


・大型セダンと衝突(非現行)



・左手前がボルボ(非現行)*8

ドアがしっかりと開いており、キャビンの頑丈さを示している

・SOの重要性が分かる動画

 
高速道路上で反対を向いてしまったシルバーのセダンとボルボの前面約25%が衝突

〇被追突
・追突した32トンのガソリンを積んだタンクローリーは横転し炎上(非現行)*9


・112km/hで追突されたボルボ(非現行)*10


・60km/hで追突してきた2tトラックは自走不能に(非現行)*11


・黒色の車に突っ込まれるがテールゲートは開閉可能(非現行)



・黒色の車に突っ込まれたが(非現行)*12

ボルボだから被害が少ないというのもあるが、基本的にクラッシュブルゾーンを大きくとれるフロント側の方が潰れやすくなっているので、ボルボが他社に追突した場合はボルボのフロントの方が明らかに大きく潰れる

・赤色の車に突っ込まれたが(非現行)


〇側面衝突
・0:22~(白い車がボルボ)、0:33~(右の車がボルボ)(非現行)


・6:05~(非現行)

 
・側面衝突を実際に行う(非現行)


ボルボのガラス強度(非現行)


ボルボのガラス強度(非現行)


〇ルーフ強度
ボルボがトラックの下敷きに(非現行)*13


ボルボが青いタンクローリーの下敷きに(非現行)*14


・戦車に潰されかける(非現行)



・100km/hで横転した時の車内(非現行)


ドライバーは慌てて窓から出ているが、後席のドアの開閉が確認できる

〇衝突試験
・横転


・3列目の安全試験

3列目は身長170cmまでの乗員でなら、ボルボの他の2列目と同じ安全性が担保されている。3列目の安全を確保する試験を公表しているのはボルボとスバルとマツダだけである。

・80km/hでの3列目の安全試験

 

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